リラックス効果や安眠作用があるとして、近年注目される大麻由来成分の"CBD"。
メリットばかりが強調されていますが、副作用や使用上の注意についても見逃せません。
この記事ではそんなCBDの副作用について解説していきます。
眠気や頭痛、肝臓障害など検索候補にあがる症状も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
大麻由来の成分CBDとは?なぜ合法なのか
"大麻由来の成分"と聞くと不安に感じるCBDですが、そもそもどのような成分なのでしょうか?
この項ではまず、CBDと大麻の違いや、摂取に伴う効果、法律上の扱いなどを簡単にご紹介します。
それぞれの項目については別記事でより詳しく解説していますので、気になる方はぜひ併せてご参照ください。
CBDは大麻から抽出した人体に無害な成分
ひとくちに"大麻成分"と言っても、実は「依存性が高く不安感を引き起こす物質(テトラヒドロカンナビノール/THC)」と「依存性が低く精神を落ち着かせる物質(カンナビジオール/CBD)」の2種類に分けられます。
マリファナなど麻薬のイメージは前者のTHCによるもので、CBDは適切な用法容量を守って使用すれば健康リスクのかなり低い成分です。
市販のCBDグミやCBDオイルは、大麻草からこのCBDだけを抽出したものであるため、合法的に購入・使用することができます。
なお、THCとCBDによる身体への影響をまとめた表が以下になります。
同じ大麻由来の成分でも、身体や脳に与える影響は正反対であると言えるでしょう。
成分 | CBD | THC |
---|---|---|
効果・特徴 |
|
|
CBDは医療現場でも使用される
人体への害が少ないCBDは、アメリカの医療現場で"てんかん"の治療薬としても用いられています。
日本ではまだ臨床段階であるものの、様々な研究でその安全性が実証されています。
また、てんかん以外にも不安感の改善や抗炎症作用なども確認されており、CBDは今後さらに医療分野で活躍していくでしょう。
なお下記はCBDの医療分野活用に関する論文の一例ですので、興味のある方はぜひ参考にお役立てください。
CBD製品の流通に向けて法整備が進む
医療分野でのCBDの活用に向けて、2023年12月に改正大麻取締法が公布されました。
「医療分野でのCBD解禁」と「THCを含んだ違法性のある大麻に対する厳罰化」に主眼を置いた改正内容となっており、CBD製品を安心・安全に使用できる環境づくりが進められています。
これまでCBDに対してグレーなイメージを持っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、現在では明文化された合法成分であり、安心してご利用ください。
改正大麻取締法については下記記事で詳細に解説していますので、気になった方は併せてご覧ください。
CBDの主な副作用とは?眠気や頭痛、肝臓などに注意
人体への害が少ないCBDですが、あらゆる薬がそうであるように、副作用が存在しています。
FDA(アメリカ食品医薬品局)が発表した資料によると、以下のような副作用が報告されています。
- 咥内や喉の渇き
- 眠気・頭痛
- 低血圧
- 下痢
- 食欲減退
- 肝臓障害
- 気分の変化
- 胎児への悪影響
- 生殖能力への悪影響
この項では上記の副作用からいくつかを取り上げ解説していきます。
副作用①|眠気や頭痛
CBDには副交感神経を優位にする作用(リラックス効果)があります。
そのため、使用後に眠気を感じる方が一定数いらっしゃいます。
また、神経のバランスが変わる影響で逆に頭痛や動悸、めまいといった症状が起こることがあります。
ただし一般的には、頭痛などの症状の改善を実感する人の方が多く、あくまでも上記の副作用はレアケースだと言えます。
副作用②|下痢
交感神経・副交感神経のバランス変化に胃腸が反応しやすい方の場合、下痢などの副作用が見られることがあります。
一方でCBDによって下痢や便秘、胃痛などの症状が改善したという方も多く、体質によるところが大きいと言えるでしょう。
またCBDオイルを使用されている方の場合、CBD自体ではなくオイルが原因になっている可能性も考えられるため、グミやVAPE(電子タバコ)など別の媒体で摂取することをオススメします。
副作用③|肝臓や甲状腺への影響
英国食品基準庁(FSA)は2023年10月に「健康な成人は10 mg/日を超えるCBDの摂取をすべきではないと勧告する。生涯を通じてより多くのCBDを摂取すればするほど、肝臓損傷や甲状腺の問題などの長期的な悪影響が生じる可能性が高くなる。」との研究結果を報告しており、CBDの過剰摂取が肝臓や甲状腺に悪影響を及ぼすとしています。
ただし、同報告の中で「リスクのレベルは、アルコール飲料などの他の潜在的に有害な製品と同様に、摂取量に関係する。」とも述べられており、適切な用法・容量を守って使用する分にはそれほど高いリスクではありません。
また、逆にCBDが肝炎や肝虚血、アルコール誘発性肝障害などの肝臓に関わる障害の改善に役立つ(可能性を指摘する)論文なども発表されているため、一概に肝臓への害だけがあるとは断言しづらい状況でもあります。
副作用④|男性の妊孕性に対する影響
人間ではなく動物実験による研究結果ではありますが、CBDの摂取による「精巣や精子を造る精細管の萎縮」「性機能の低下」などが指摘されています。
また、精子の濃度・運動率などにも影響があると考えられており、妊活中の男性などは使用を控える方が良いでしょう。
CBD摂取時の注意点
前項で確認した通り、CBDにはメリットだけでなく、眠気・頭痛・肝臓の障害といった副作用も存在しています。
この項ではそんなCBDを安心して使用するための注意点をご紹介していきます。
注意点①|小さな子供やペットに配慮が必要
VAPE(電子タバコ)やアロマなどCBDを気化させて使用する場合は、ご自身だけでなく周囲の環境への配慮が必要です。
特に影響を受けやすいお子様やペットがいる空間では、使用しない方がよいでしょう。
ペットの治療薬としてCBDを使用しているケースでも、人間用と動物用では成分が異なるため注意しましょう。
注意点②|薬との飲み合わせに注意
リラクゼーショングッズのイメージが強いCBDですが、医薬品とも言えるアイテムですので他のお薬との飲み合わせには気を付けましょう。
特に下記のお薬を使用されている場合は注意が必要です。
ステロイド、免疫抑制剤、スタチン、抗生物質、NSAID、AGⅡ拮抗薬(ARB)、カルシウム拮抗剤、βブロッカー、抗ヒスタミン剤、ベンゾジアゼピン、抗うつ薬、抗精神病薬、麻酔薬、プロトンポンプ阻害薬、消化管運動機能改善薬、経口血糖降下薬、SU剤、抗不整脈薬、抗HIV薬
なお上記はあくまでも一例ですので、常飲しているお薬がある方は一度かかりつけ医にご相談ください。
注意点③|運転前の使用は厳禁
副作用の項目でもご紹介した通り、副交感神経を刺激するCBDは「眠気」「頭痛」といった症状を引き起こす可能性があります。
そのため、車の運転前に使用しない/使用後は車を運転しないことを徹底しましょう。
注意点④|用法・容量はしっかり守る
前項でご紹介した副作用のうち、肝臓障害や甲状腺への影響はCBDの過剰摂取が主な原因として考えられます。
CBDは単なるリラクゼーショングッズではなく、医薬品と同等の成分ですので、それぞれの商品で定めらた用法・容量を守って使用することを心がけましょう。
注意点⑤|違和感を覚えたらすぐに使用を中断する
CBDが体に与える影響は現在も研究が進んでいる最中であり、影響の受けやすさも個人差が大きく未知の領域が多いです。
そのためCBDの摂取で違和感を覚えた際は、無理に使用を継続せず、すぐに中断するようにしましょう。
また、必要に応じて適切な医療機関の受診も検討することをオススメします。
CBDに副作用はある?眠気・頭痛・肝臓障害など健康への影響を解説|まとめ
今回は近年注目されるCBDについて、効果や副作用などを解説しました。
CBDは法律で安全性が認められた成分であるものの、身体への効果には個人差があり、眠気・頭痛・肝臓障害・妊孕性への悪影響といった副作用が現れるリスクもあります。
使用の際は用法・容量をしっかり守ったうえ、異常を感じた際はすぐに使用を中断するようにし、自分に合った使用方法で活用してくださいね。