これまでに販売禁止となったCBDとその経緯は?CBDの今後も解説

  • 2024.09.03

CBDは、リラックス効果や抗炎症効果が期待でき、スポーツ選手やアーティストも愛用していることが多い成分です。

その安全性はWHO(世界保健機関)にも認められていますが、大麻から抽出された成分であることや、近年は「大麻グミ」が話題となったこともあり、「危ないのでは?」と不安に感じられることもしばしばあります。

これまでに販売禁止になった商品があることや、大麻に関連する法律がここ数年で改正されがちなことも、不安を後押ししてしまいますよね。

そこでこの記事では、これまでに販売禁止になったCBD製品の背景と、今後も販売禁止・使用禁止になるCBDは増えていくのかを解説します。

THCが含まれていて販売禁止になったCBD商品

 

2024年8月現在、日本では大麻は大麻取締法によって規制されていますが、成熟した茎や種子からつくられるものは規制の対象外となっています。

日本で流通しているCBDは成熟した茎や種子から抽出されたものであり基本的に安全なのですが、商品によっては、違法成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)が検出されるものもあります。

たとえ規制対象外の部位からつくられた製品であっても、THCが含まれている場合は大麻に該当し、販売することができません。

まずはTHCが含まれていたことにより販売禁止となったCBD商品を紹介します。

商品名 販売会社
ナチュラルドロップス3000 エリクシノール株式会社
シナミントドロップス3000 エリクシノール株式会社
プロフェッショナル2000 エリクシノール株式会社
CBDオイルPro900(10mL) 株式会社こころ
CBDオイルPro2700(30mL) 株式会社こころ
CBD DROPS 15% HEMP SEED OIL 株式会社Pharma Hemp Japan
CBD DROPS 15% OLIVE OIL 株式会社Pharma Hemp Japan
CBD PASTE 20% 株式会社Pharma Hemp Japan
CBD PASTE 30% 株式会社Pharma Hemp Japan
CBD PASTE 40% 株式会社Pharma Hemp Japan
CBD リキッド フルスペクトラム プレミアムブラック 500mg 5% E-Liquid 株式会社CIGA
CBD オイル Koi Naturals 30ml 1000mg 株式会社CIGA

参考:厚生労働省「大麻成分THCを含有する製品について」

販売禁止となったこれらの商品は令和2年から4年の間にTHCが検出されたものであり、現在は販売されていません。

いずれもTHCの検出は微量でしたが、これらの商品以外にも、違法にTHCを含んでいるCBD商品がある可能性もあります。

THCはなぜ販売禁止されている?

THCはいわゆるマリファナの主成分であり、幻覚作用や精神活性作用、依存性があるなど人体に悪影響を及ぼすため指定薬物となっており、販売禁止されています。

海外では医療用として使用が認められている国もありますが、現在の日本では、嗜好品はもちろん医療用であっても使用することはできません。

指定薬物であるTHCが安全を謳うCBDに含まれ、不特定多数の人が購入できる状況は非常に危険であり、たとえ故意でなかったり微量であっても販売禁止となります。

悪質な業者や粗悪な商品はTHCを含んでいることもありますので、CBD製品を買うときは信用できる販売元なのかを確認したうえで購入するようにしましょう。

法改正により販売禁止となったCBD商品

 

続いて紹介するCBD商品は、2023年9月10日に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)により、新たに指定薬物に指定された物質を含んでいて、販売停止となった商品です。

ここで紹介しているものはドン・キホーテで販売されていて、販売禁止となったもののみですので、実際にはさらに多くの商品が販売禁止となっている可能性もあります。

販売禁止となった商品名
+WEED フルスペクトラムシリーズ・アイソレートシリーズ
GREEN BULLDOG フルスペクトラムシリーズ
GRASS BEAUTE アイソレートシリーズ
CBD ハーブスティック オリジナル CBD5mg

参考:株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「成分規制による一部CBD製品の処分のお願い」

指定薬物となった物質はどんな物質?

2023年9月に指定薬物となった物質

  • THC-V (テトラヒドロカンナビバリン)
  • THC-B (テトラヒドロカンナブトール)
  • THC-H (テトラヒドロカンナビヘキソール)
  • THC-P (テトラヒドロカンナビフォロール)
  • THC-JD (テトラヒドロカンナビオクチル)

※いずれも物質群1(△9-)、および物質群2(Δ8-)の2物質群

参考:厚生労働省『新たに指定された指定薬物の名称 』

2023年9月に規制された物質はいずれもTHCという文字を含みますがTHCとは別の物質で、それぞれ大麻に微量ずつ含まれている物質です。

THCに似た分子構造や異なるもの、または効果の違いはありますが、いずれも使用者に悪影響を与えるものとして規制されました。

2023年に話題になった通称「大麻グミ」は、THC-Hを水素化させた合成化合物であるHHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)を含んでおり、HHCHも同年12月に規制の対象となりました。

特定の物質が規制されたらそれに代わる危険物質が流行り出すなど、規制と販売がいたちごっこを繰り返している現状もあり、「違法じゃないから大丈夫」などと謳っていても、必ずしも安全ではないということを忘れてはいけません。

今後も販売禁止のCBDは増えていく?

 

CBDそのものは人体に害はありませんが、同じ大麻から抽出できるTHCやそれに類似する物質が含まれることで、これまでも多くのCBD製品が販売禁止となってきました。

それでは、今後も販売禁止のCBDは増えていくのでしょうか?

CBDを取り巻く法律はこれまでも変化してきましたが、2024年10月に改正される法律は大きな影響を与えるものとなっていますので、そちらを解説していきます。

2024年10月1日の法改正により、販売禁止商品が増える可能性はある

これまで大麻は「どの部位から製造されたものか」により規制がされており、成熟した茎や種子から製造したものは規制の対象外でした。

しかし、2024年10月1日施行の「麻薬及び向精神薬取締法」からは、基準値以上のTHCを含んでいたら麻薬とされ、処罰の対象となります。

さらにその基準値は、CBDオイルであればこれまでの20分の1である0.001%、CBDグミやクッキーはこれまでの200分の1である0.0001%までの量しか認められません。

これは世界基準である0.3%未満という数値よりもかなり低く、厳しい基準となります。

そのため、以前の基準値では問題なかったCBD製品も、2024年10月1日以降は違法とされ、販売禁止となる可能性があるでしょう。

今後はTHCは使用禁止にもなる

これまで大麻は免許なく栽培したり、所持・受け渡しすることなどはできませんでしたが、一方で使用を禁止する法律はありませんでした。

しかし法律の改正後は大麻は使用禁止となり、大麻使用罪を犯した場合は最長で7年の懲役が科せられるようになります。

そのため、THCを含んでいたCBDを使用してしまった場合、その事実を知らなかったとしても罪を犯したことになる可能性があります。

THCの含有が疑われるCBDについては、一層注意をする必要が出てくるでしょう。

一方で、安全なCBDが増えていく可能性も

2024年10月1日の法改正によりTHCが厳しく制限され、その影響がCBDにも及ぶ可能性は十分にありますが、この法律が制定されるのは、医療用や研究用としての大麻の使用を可能とするためでもあります。

CBDにリラックス効果があるのはご存じのとおりですが、例えばCBDは「難治性てんかん」という疾患に対して効果があることがわかっており、法改正後はCBDを主成分としたてんかん薬「エピディオレックス」の使用などが認められることになるでしょう。

このように、THCには厳しい規制が敷かれる一方で、CBDに規制がかかるわけではありませんので、今後日本で販売されるCBD製品は、「厳しい基準を通過した、信頼できるCBD製品である」とも言えます

現在販売されているCBD製品の中には販売禁止・使用禁止になるものもあるでしょうが、だからと言ってCBD製品が世の中からなくなることはおそらくありません。

これまでに販売禁止となったCBDとその経緯、CBDの今後|まとめ

これまでに販売禁止となったCBD製品とその背景、そして法改正に伴うCBD製品の扱いの変化について解説しました。

CBDは大麻由来の成分であり、その効果が認められている一方で、不信感やTHC・類似の成分の混入による被害が問題視されている成分です。

2024年10月の法改正からは、これまでとはCBDの扱いも変わり、販売禁止・使用禁止になる商品も出てくるかもしれませんが、逆に安心できる商品が増えていくことも予想できます。

怪しい情報や商品に惑わされず、信頼できる製品を選んで有意義なCBDライフをお楽しみください。